「年間2000本」は天然歯軽視の証拠?
佐々木医師が一番に挙げるのは、看板に掲げる診療科目のチェックだ。
「インプラント、審美といった診療科目を看板に書くのは法律で認められていません。書いていい診療科目は歯科一般、小児歯科、矯正歯科、歯科口腔(こうくう)外科だけです」
ホームページで「インプラント年間2000本」など、症例数の多さをうたうところも要注意だという。
「技術の高さをアピールしたいのでしょうが、天然歯を残す努力をあまりしていない証拠にもなります」
治療前には、説明が丁寧か、わかりやすいかもチェックしたい。
「レントゲン写真を使っての説明も、健康な場合と対比して説明することが必要。病気の写真だけ見せられてもわかりませんよね。大切なのは患者さんが意味を理解しているかどうか。わかりやすい説明は質の高さの証明です」
治療の質が顕著にあらわれるのは、治療の精度へのこだわりだという。
「かぶせ物を作るときなどに、個別のトレー(型枠)を作製しているかどうかは重要です。歯列は十人十色。既製の型枠を使いまわすようでは、こだわりが高いとはいえません」
歯周病はこうすすむ●歯周病はプラーク(歯垢)が引き起こす「歯の周辺の細菌感染症」。初期は歯肉が赤く腫れる「歯肉炎」、進行すると歯を支えている骨が溶けて「歯周炎」となり、放置すればやがて歯は抜け落ちてしまう。