チアダンスのインストラクターから、国内旅行の添乗員に転職

勉強を始めて約1年後に3級から1級までを取得し、翌年マイスターを取った。世界遺産の魅力にハマった高橋さんは、仕事でも資格を役立てたいと、チアダンスのインストラクターから、国内旅行のツアーコンダクターに転職。資格を持っているおかげで、学生の修学旅行で時間管理や手配を行う業務のほか、現地のガイドやバスガイドに代わって、世界遺産を案内することもある。

(上)オーストラリアはエアーズロックなどの世界遺産に魅了され、今までで最も多く訪れた国。(下)世界遺産検定の公式テキストは書店で購入できる。フルカラーで写真も多く、楽しく学べる。

「例えば、世界遺産に認定されている奈良の法隆寺で、真ん中が膨らんだ柱・エンタシスを説明するときは、同じく世界遺産のパルテノン神殿(ギリシャ)の柱と関連付けます。両者の柱が同じ形をしているのは、パルテノン神殿の柱がシルクロードを経て日本に伝えられ法隆寺に採用されたから、というふうに。すると生徒さんたちは興味を持ってくれるんです」

副業で講師も。活躍の幅が広がる

最近は、検定の知識を生かせる副業にも出合えた。

「世界遺産アカデミーから依頼され、大学で検定講座やガイダンスの講師をするように。受検希望者に勉強法を、検定に興味のある方には検定の魅力を伝えています」

また、検定を通して各国の歴史や文化を学んだおかげで、海外のニュースを見たときの受け止め方が変わったともいう。

知れば知るほど奥が深い世界遺産。学ぶことで、世界の見え方がどう変わるのだろうか。高橋さんのように転職とまではいかなくても、チャレンジする価値はありそうだ。