注目が高まる「世界遺産検定」取得でどんな得があるか
京都・奈良の寺社に代表される文化財や、景観、自然など、世界で1092カ所ある世界遺産(2018年8月時点)。これらがいかにして世界遺産に登録されたのか、その国の歴史や宗教、文化を通してじっくり学べるのが、NPO法人世界遺産アカデミーが主催する「世界遺産検定」だ。06年に始まってから受検者数は増え続け、17年だけで約3万人。のべ18万人が受検している人気検定だ。受検料の一部は世界遺産基金に寄付され、世界遺産の保全活動に活用される点でも支持が厚い。
世界遺産の知識があると、どんな喜びがあるのか。検定の最難関レベル「マイスター」に認定された高橋聡美さんに話を聞いた。
「旅行が好きで、オーストラリアや京都など、長期休暇や週末に国内外をよく1人でまわりました。ただ、旅先で世界遺産を見ても、なぜそれが世界遺産なのか、ガイドブックを読むだけではふに落ちないことが度々ありました」
そんなある日、電車の中づり広告で世界遺産検定のことを知り、チャレンジしようと決意。毎日のように公式テキストを読んで知識をインプットした。
「勉強のあいだは、『あの史跡にはこんな背景があったのか』と、感動と驚きの連続。世界遺産はその国の歴史が関わってできているので、その地域の文化や宗教まで深く知ることができるんです」