目の前の仕事を工夫してみる

まずは、小さなことからスタートするので十分。毎日、新聞を読んで世の中の流れを知る、勉強会、セミナー、趣味の集まりに出てみる、SNSで新しい友人とのコネクションをつくっておく、などなど。ボランティア活動で相手を見つけて結婚し、夫婦で起業したというエピソードも聞いたことがあります。婚活とキャリアチェンジができて一石二鳥(笑)。また毎日の仕事の小さな効率化を考える訓練をしておくと、より上流の仕事に携わるチャンスが訪れます。小さなことの積み重ねが、やがて大きな力となって、次のステージに上がる原動力となるのです。

もし会社や業務に対して漠然とした不安があるのなら、まずは自分を理解してくれる周囲の人(社内や社外のメンター)や信頼できる友人に相談し、気持ちを吐き出してしまいましょう。そうすれば、自分の中で、もやもやした不満や不安の輪郭がはっきりしてくる。プロのキャリアカウンセラーと面談するのも選択肢のひとつです。アカの他人のほうが、気持ちを吐露しやすい場合もありますし、守秘義務もあるので、誰かに知られるリスクもありません。

転職を考えているならば、会社を辞めずに転職エージェントに登録しておくのも一手でしょう。“本当に使える人材”や女性管理職の不足という背景があり、企業からスカウトが来る時代です。そういったオファーに対してじっくり考えるのもアリです。そのとき転職につながらなくても「世の中のニーズ」や「自分の市場価値」がわかって、未来でのシフト転換がよりスムーズになるはず。

エージェントに仲介してもらったり、スカウトを受けたりするためには、キャリアの専門性だけでなく、自己の資質に対しての理解を高めて、さらに研鑽(けんさん)することが大事です。たとえば判断力、コミュニケーション能力、交渉力、統率力などの「ヒューマンスキル」は、どの組織でも必要なこと。物事の本質を見極め、ビジネス上の問題を解決する「コンセプチュアルスキル」も身につけておいたほうがいいですね。