「サードの7番」。それがわからなきゃ「なんですか?」と聞けばいいだけです。おじさんはだいたい教えることが好きです。聞いて嫌な顔をされたら? だったらそもそもあなたに野球のたとえなんかしませんよ。会話を重ね、関係が近くなったら、「また野球ですか?」とも言えます。

愛想笑いだけして陰で悪口を言うのは悪いループの入り口ですよ。言ったほうも落ち込むものです。

という私は愛想が悪いです。苦手な人を拒否してしまうことも多々あって、もういい年なのに、人望に欠けるということを痛感しています。器が小さい。

どんな人もまず受け入れる、面白がる、ができる人が芸能界にはいっぱいいます。表でも裏でもいつも笑いが絶えません。私の言い訳は「本番はちゃんとやるから」でしたが、それだけじゃ足りないことが、本当に本当に、今の私の越えるべき壁です。もう新人ではないのに。

あなたに言ってることは、私に言ってることです。お互いに頑張りませんか? あ、あと、どんなことも「知る」って損はないですよ。野球だって。

構成=中津川詔子 撮影=遠藤素子