夫にバレぬよう老後資金の穴埋めするつもりが、穴は巨大化

FXファンド詐欺で、合計2000万円の老後資金が水の泡に
46歳女性 個人事業主

「とにかく老後資金の穴埋めをしなければ……」。60歳までに絶対に取り返す。焦りにも似た感情に支配され、「儲かる」という商品に次々と投資してしまいました。発端は、知人に騙され1000万円もの大金を失ったこと。子どもの学資保険の満期金も含め、「すぐに返すから」というお決まりの言葉を信じて貸してしまったのが運のつき……。裁判に勝訴しても、お金のない相手からは一銭も戻ってはきません。夫にバレないように、早く穴埋めをしなければと思ったのが失敗でした。

当時人気だった海外FXファンドへの投資セミナーに参加しました。10年で約3.5倍になるという高配当につられたものの「騙されてはいけない」と、まずは10万円を投資。金利が毎日積み立てられたことに安心し、追加出資を勧められるがまま、300万円を上乗せしました。さらに別のFXファンドにも投資。大手証券会社から独立したばかりだという30代半ばのファンドマネージャーに託しました。

「絶対に損はさせません」「特別な方だけにご案内している商品です」。笑顔がステキな好青年の熱意、「特別な方」という言葉にくすぐられ、200万円を投資しました。失った分を早く取り返したい、そんな思いだけで、投資の中身については全く判断できない状況だったと反省しています。当然のことながら、その好青年のファンドマネージャーとやらとはすぐに連絡が取れなくなりました。さらに、最初のFXファンドもドロン。「騙された」と知ったときにはもう後の祭り。穴埋めするどころか、逆に穴を大きくしてしまい、全部で2000万円ほどを失ってしまいました。

詐欺師の手口は巧妙化しているそう。夫からは「FXファンドなんてズブの素人が手を出すものではない」と、こっぴどく叱られ、高い勉強代だったと猛省。また、知人でも振り込め詐欺のようなことをする人がいることも学びました。「大丈夫」という気持ちが、大金を失うきっかけになるのです。

教訓!:「大丈夫」は、大丈夫じゃない。疑う気持ちを持とう

▼まとめ
1.たとえ親友でも断る勇気を持とう
2.うまい話は、すぐに契約せず第三者に相談
3.仕組みが理解できないものには手を出さない

※体験者への取材をもとに、フィクションを交えて構成

写真=iStock.com