天領ミーティングの様子。中央が星崎社長。(写真提供=メガネスーパー)

「スタッフのやる気=売り上げ」の法則

とんでもない社長が出張ってきた、と不審そうにしていたスタッフたちも、店舗改革を進めていくなかで次第に乗り気になり、2カ月も経つころには「あんなことをやってみたい」「こうしてみてはどうか」と自分のアイデアを表明するようになった。

私は、考えることを徹底的に教えていった。スタッフ一人ひとりが自分のアタマで考えて、考えて、考え抜く。それをしつこいくらいに求めた。

スタッフの意識が変わり始めたところで、次の段階に進んだ。ROI(投資利益率)について考えさせるようにさせた。スタッフのアイデアに対して「10万円かかるその案では、10万円以上の利益は出せないよね。それは現実的な施策ではないよ」といった調子だ。いかに利益を出していくかを強く意識させた。

やって然るべきことをやっていなかったから売り上げが下がっていただけで、やるべきことをやれば、売り上げは一定程度まで伸びていく。究極的に言えば、スタッフがやる気になるかどうか、それだけだ。

その後、「天領」を6店舗から22店舗まで増やした。それだけの数になると、私が店舗に出向いて朝晩のミーティングをこなすのが難しくなり、ミーティングを集約することになった。それが現在も続いている「天領ミーティング」だ。天領の店舗から合計200人くらいのスタッフが集まり、朝7時半、もしくは夜9時から、ミーティングを行っている。

大赤字なんだよ! ボーナスなんてありえない

天領ミーティングでは、「8年間、ボーナスが出ていません」「給料がぜんぜん上がらない。そもそも、安い」という声がスタッフから上がることもあった。私は「そんなの当たり前だ。だって、大赤字なんだよ! むしろ、給与が下がっていないことに喜びを感じてほしいくらいだ。ボーナスなんて、ありえない」という私に、憮然とする者も少なくなかった。ただ、合わせて「黒字になったら、ボーナスを支給する。だから、はやく黒字にしよう」と伝えた。

会社の実情をスタッフにも知ってもらうため、全社P/L(損益計算書)や店舗別損益など、個人の給与額以外の99%の情報をオープンにした。ミーティングはネットで同時中継し、社員であれば誰でも見られるようにもした。質問があれば、その場でLINEなどを使って受け付ける。映像はアーカイブ化し、自分の見たい時間に視聴することも可能だ。

店舗に関するミーティング以外にも、マーケティングやマーチャンダイジング、開発、研修など、さまざまな部門についても一つひとつ、ミーティングを頻繁に行って、あらゆる問題を潰しにかかった。