「実は…」というセンテンスだけ、より大きい声で話す。逆にあえて小さくしてコソコソ話に持っていく方法もあります。
大きな「実は」と、小さな「実は」
大きな声の「実は」は“大ニュースです”というニュアンスで伝わりますし、小さな声の「実は」は“内緒にしてくださいね”と言わんばかりで“貴重な情報です”というニュアンスを伝えます。さらにピッチを速くして興奮気味にしたり、トーンを落として深刻気味にしたり、声を高くして雰囲気を盛り上げることもできます。
大切なことは、話している途中で“ここから大事な話ですよ”と場面が転換するときに変化をつけることです。原稿用紙に文章を書くときも、場面を変えるときには改行しますよね。それと同じイメージです。声を変えると、相手は話が変わったことを理解します。
もう1つのテクニックは、その言葉を“強調したい”ときに声を変えるという方法です。想像してほしいのがパソコンでの文書作成です。目立たせたい部分は、赤字にしたり、網掛けにしたり、太字にしたりしますよね。それを声で表現するには、高さや大きさ、速さを変えるということなのです。
たとえば、営業先で「今月中は値段を2割下げることが可能です」という話をするとします。特に強調したいのが「2割下げる」という部分だった場合、「2割下げる」で声を急に大きくしたり、ゆっくりしたりして変化をつけて、「ことが可能です」で「今月中は」と同じトーンに戻す。何を強調しているのかがわからなくならないように、元に戻すことが重要です。もちろん強調する部分が「今月中は」や「可能です」になることもあるでしょう。どこを強調するかを工夫することで、自分らしさが表現できるでしょう。
声を“見える化”するとより伝わる表現に
プレゼンやロールプレイの前には、ぜひ話す内容を書き出して原稿にしてみてください。この作業は、文字にして内容を覚えるのが目的ではありません。声を「見える化」するのが目的です。まずは話の内容に合わせて、どこで改行するか、どこに色をつけて強調するかを考えます。