▼政治哲学をおもしろく理解する

『これからの「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル/早川書房

『これからの「正義」の話をしよう』マイケル・サンデル/早川書房
この本の長所は2つ。1つはピンポイントながらおおまかな政治哲学の流れをつかむことができる点。2つ目はこの本でいう正義とは分配の正義である点。「有限の資源はいかに分配すべきか」、格差問題や経済政策の問題、まさに現代の問題を考えるときの参考になる。

▼最新のテクノロジーをる

(左から)『アルゴリズムが世界を支配する』クリストファー・スタイナー/角川EpuB選書、『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』小林雅一/講談社現代新書

『アルゴリズムが世界を支配する』クリストファー・スタイナー/角川EpuB選書
アルゴリズムは金融分野の60%以上で用いられている。コンピューターの処理能力の飛躍的向上で、プログラムが自動で判断を下せる領域はさまざまな産業に広がっている。その現状をアメリカの事例を中心に紹介。最新の技術を知ることで、ビジネスや社会の現状を知ることができる。

『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』小林雅一/講談社現代新書
AIについてもっともシンプルにまとまった本。人間は自ら開発したテクノロジーに支配されている。現代社会やこれからのビジネス、また人間のあり方を考え、さまざまな選択をし、判断を下すのにも、テクノロジーの最新事情や動向が大きく影響し、これを知らずにはすまされない。

萱野稔人
津田塾大学教授。専門は哲学、社会理論。1970年生まれ。早稲田大学卒業後、パリ第10大学大学院哲学科博士課程修了。近著に『暴力と富と資本主義 なぜ国家はグローバル化が進んでも消滅しないのか』(KADOKAWA)。
 

奥田由意=構成