40代になると、すごく楽になれる

【常見】今日、登壇したのは全員41歳から43歳までの男女です。そこで「40代とは何なんだろう?」という話をしたいと思います。みなさんの「40代に対して抱いていたイメージ」を教えてください。

【おおた】子供の頃に見ていた40代は未知の世界。おじさんを超えた存在でした。僕が生まれたとき、おばあちゃんは47歳でしたから。自分が40代になって、「40代ってこんなに子供だったのか」と思いましたね。

【常見】ただ、“40代像”は世代によっても人によっても違うと思います。“40代像”はどのように変わってきていると思いますか?

千葉商科大学専任講師 常見陽平氏

【おおた】僕が20代で会社に入った頃、40代の女性は対象外でした。だけど、今ならアリなんです。これは僕が年をとったのと、今の40代が若くなっているのと、両方あると思います。

【常見】「加齢とは何か?」を考えたとき、“肉体的な加齢”“精神的な加齢”“記録上の加齢”などがあると思いますが、最近は“社会的な加齢”が大きく変わってきていると思います。

【河崎】それは大きいですね。

【常見】社会の中の40歳や45歳の意味が変わってきている。社会だけでなく会社の社内でも変わっているでしょう。40歳の部長もいれば、40歳の平社員もいるし、非正規社員もいます。おおたさんは40代、楽しいですか?

【おおた】40代になってから肩の力が抜けてきました。

【田中】僕が子供の頃は「40代の人は自分を客観視できていない」というイメージがありました。たとえば、女子高生と援助交際をしたり、キャバクラで同伴出勤をしたりする40代の男性を見て、「お金の力で女性を従えさせているだけなのに満足なの?」と思っていました。でも、僕が40代になると、「あ、絶対に相手にしてもらえないだろうな」という寂しさを感じるようになった。モテなくなるというより、「誰も自分に興味がないのでは」という恐怖感。だからお金で解決しようとする。あのおじさんたちの気持ちが全部わかるわけではありませんが、こんな複雑な回路で援助交際をしていたんだな、と思うようになりました。