【堀込】そしてできれば、例えば「8対2」を「5対5」にしようとするのではなく、もう1割ずつ増やして、「9対3」にする。夫婦ともに主体的に家事をしている状態というのは、こういう状態のことなんです。合計12でしょう。この2割の余裕で、互いに何かあったときにも補い合えるんです。

【白河】なるほど。子どもが小さいときは緊急事態の連続だから、余裕があるのはいいですね。それは分担量の問題ですが、妻は夫の家事の「質」にも文句がある人が多い。堀込さんも奥さんの家事や育児にダメ出しをしそうになりますか?

【堀込】やっぱり自分と違うやり方に不満を感じることはあります(笑)。でも見守るようにしてます。逆に、向こうが見守ってくれているんだなと感じることもありますよ。

【白河】やはり一度「やって」と言ったことはお任せするしかないでしょうね。読者アンケートに、「夫が風呂の排水溝の奥を掃除しないのが不満」という声があったけれど、まずはやってもらうことが重要では? 例えば「食器は自然乾燥でなきゃ」といった奥さんのこだわりは「趣味の領域」。だからあまり自分のやり方を押しつけず、どうしても我慢できないときだけ、自分でやるほうがいいかもしれない。

【堀込】ところで、旦那さんの“自分は子育ての当事者じゃない”という態度が不満だという人が多いですね。

【白河】女の人って、家事でも育児でも、きっちり5対5で分担してほしいわけじゃないんですよね。夫が仕事で忙しいなら、別に8対2でも9対1でもいい。ただ、妻には常に子どもを守るという重さ1トンくらいの責任がのしかかっている。それを旦那さんにも一緒に背負ってほしいんだと思う。

イラスト=伊藤美樹