共働きの男女1000人へのアンケート調査では、特に高年収女性の間で「主夫待望」の声が強かった。一方で家事・育児の約8割を妻が担っているという現実。日本の主夫不足は深刻です。
※アンケート概要/楽天リサーチの協力で、正社員として働く共働きの男女500人ずつにインターネット調査を実施。調査期間は2016年3月。
白河桃子●少子化ジャーナリスト、作家、相模女子大学客員教授。内閣府「新たな少子化社会対策大綱策定のための検討会」委員、まち・ひと・しごと創生本部「地域少子化対策検証プロジェクト」委員。一億総活躍国民会議の民間議員。
堀込泰三●1977年千葉県生まれ。東京大学大学院を経て自動車メーカーでエンジン開発に携わる。2007年長男誕生時に2年間の育休を取得。その後、翻訳家として在宅で働きながら2児を育てる。14年に「秘密結社主夫の友」を結成し、CEOに就任。著書に『子育て主夫青春物語』。
主夫とイクメンはちがう!
【白河】堀込さんは自宅で翻訳の仕事をしながら、2人の男の子の子育てと家事をしている「主夫」ですが、こうなったきっかけは何だったんですか?
【堀込】妻の妊娠です。彼女は研究者として働いていましたが、勤務形態が1年ごとの契約だったので、育休を取るのが難しかったんです。それで自動車会社の正社員だった私が2年間の育休を取りました。第1子が生まれてしばらくして妻がアメリカに赴任することになり、話し合いの結果、私が退職して「主夫」になったんです。
【白河】実はいま、堀込さんのような「主夫」が増えているんですよね。
【堀込】もっと増えてほしいですね。でも誤解されることもある。例えば主夫とイクメンは違うんですよ。イクメンは妻のサポートにすぎませんから。
【白河】そして女性のパンツ一枚洗わないヒモとも違うんです。堀込さんは自分も在宅で働いて収入があり、家事・育児をメインでしっかりやっている。
【堀込】でも私の主夫仲間には、奥さんの扶養家族になっている「専業主夫」もいます。問題は収入の多寡ではなく、自分から主体的に家事・育児を担おうとしているかどうかですよ。
【白河】お手伝い感覚ではなく、自分から「主」体的に家事や育児に取り組む「夫」ということで、「主夫」なのですね。
【堀込】これからは夫も妻も仕事をしながら、どちらも主体的に家事・育児をするという“Wシュフ”の家庭が増えるといいと思ってます。