真実6:みなし残業の恐怖

▼「みなし残業」を悪用するブラックから逃げろ!

みなし残業とは、あらかじめ一定の残業時間を想定したうえで残業代を設定し、基本給と一括で支払うシステム。ブラック企業はこれを悪用し、徹底的に社員をこき使おうとします。例えば「みなし残業代が月50時間で6万円」となっていたら、普通は残業時間が50時間に満たなくても、会社は全額を払わなくてはなりません。ところがブラック企業は、「50時間に満たない場合は減額」と確信犯的に迫ります。また、残業時間が規定の時間を超えても「うちはみなし残業だから」と超過分の残業代の支払いを拒みます。この場合は堂々と請求しましょう。意外と知られていませんが、給与が年俸制の場合も、法定労働時間を超えたら、企業は残業代を支払わなければなりません。

真実7:「だめんず好き」も要注意

▼だめんず好きは、成功体験を増やしてブラックと決別

恋愛で「だめんず(ダメ男)」をつかんでしまう女性は、ブラック企業にはまりやすいタイプでもあります。自分に自信がなく、そのうえ素直で努力家で、責任感も人一倍強いので、相手から「何とかお願い」と頼られると、理不尽な要求にも応じてしまうのです。

もっといい会社で働きたいと内心望んでいても、自分に自信がないだけに一歩前に踏み出せない。そして、ダメな自分を拾ってくれたのが今の会社なんだと恩義を感じ、無駄に尽くしてしまう……。心当たりがある人は、まずは成功体験を一つでも増やし、自己評価を高めることから始めましょう。心身ともに充実し、友人関係に恵まれていれば、ブラック企業ともだめんずとも縁遠い生活を送れるはずです。

新田 龍
ブラック企業の社員を経て、企業防衛コンサルティング会社を設立。企業への脱ブラックのアドバイス、ブラック企業における労使問題を解決するとともに、大企業のブラックな実態をメディアで告発し続けている。
 

木下真之=構成 遠藤素子=撮影