▼大学非常勤講師 関下昌代さん
会社組織ほど面白いものはない
「社内政治力」というと重たく腹黒いイメージで、男性と選ばれた一部のバリキャリ女性にしか関係のない話と思う人もいるだろう。しかし、『伸びる女の社内政治力』などの著者である関下昌代さんは、社内政治力とはそんな大それたことではなく、どんな職種、ポジションの人にも関係することだと言う。
「会社のことをよく知り、敵をつくらず、味方を増やし、自分の居場所を確立して最終的に考えやアイデアを実現していく。これが私の考える社内政治力です。長く、面白く働き続けたいと考えている女性にこそ必要なスキルなんですよ」
では、社内政治力はどうしたら身につくのだろうか。実はその場面は私たちのとても身近なところにある、と関下さん。
「身だしなみを整えることで信頼感を高めるとか、チャーミングな笑顔で積極的にまわりに話しかけるなど、非言語と言語の両方のコミュニケーションがすべて社内政治につながっています。誰しもが無意識のうちに行っているようなことを意識的にやっていくことで、チャンスに恵まれるのです。何も考えないで目の前にある仕事だけにかかりきりになっていてはダメ。職場や仕事をする相手をよく観察して、それに合わせて自分の振る舞いを調整することですね。これができるようになると“会社組織ほど面白いものはない”と、思えるはずです」
仕事に慣れ、余裕が出てきたら社内政治にエネルギーを傾けてみよう。今後の自分のキャリアをより華やかでワクワクできるものに変えることができるかもしれない。
▼まずはこの4つからトライ!
1. 組織の表と裏を知るべし
会社には表からは見えないつながりや関係があるもの。まずは会社を動かすキーパーソンの顔と名前を覚えよう。会社の歴史や過去の情報を知っている社歴の長い人とは、良好な関係を築いておいて。
2. 上司、部下に味方を増やすべし
うまが合わない上司でも、上司を支え手伝うことが自分への信頼につながる。また、部下には自分の苦手なところをオープンにして。やりたい仕事をするためには、フォロワーシップは不可欠。
3. 女性を敵に回すべからず
女の敵は女であることを女性はこれまでの体験から知っているはず。無神経なひと言や態度は反感を買うので、職場では発する言葉にも配慮を。幸せなプライベートは明かさないほうがベター。
4. 存在感のある女性を目指すべし
会社に貢献して一目置かれる存在になると、あらゆる場面で影響力、主導権を握ることができるように。さらに仕事ができるだけでなく、女性らしさを兼ね備えた品格のある女性になれれば無敵だ。
強田美央=撮影