ブルボンヌさん(女装パフォーマー)、光浦靖子さん(タレント)、松本晃さん(カルビー会長兼CEO)が、交代でお悩みに回答する本連載。仕事や私生活でモヤモヤしていることを一緒に解決してくれます。今回の回答者はブルボンヌさんです。

【今回のご相談】
学生のころから「いじられキャラ」です。某お笑い芸人(男性)に似ていると言われ、接待でものまねをさせられたりします。でも、もう30代半ば。責任ある仕事も任されているので、そろそろ「卒業」したいです。先輩たちは残業中に差し入れをしてくれたり、相談にもよく乗ってくれますが……。 [34歳・生命保険・ピース]

「いじられる」のも才能。チンケな男は無視してカッコいい女になろう!

女って、内心どこかで「お姫さま」扱いされたい願望があるものよね。なのに、お姫さまどころか、芸人みたいに扱われちゃう。その悔しさはすごくわかる。だけど、あなたの場合、そんなに嘆くほどひどい立場じゃないと思うのよ。先輩はよく相談に乗ってくれて、残業中に差し入れまでしてくれる。むちゃくちゃ愛されてるじゃない。

ブルボンヌさん

「いじられる」って、一種の才能だと私は思ってるの。テレビに出ている有名人だって、長く愛されているのは、いじられ要素のある人よ。「世界ふしぎ発見!」の野々村真さんなんか、まさしくそうよね。秀吉だって、信長に「サル、サル」っていじり倒されてたけど、のちに大出世したじゃない。

そう考えると、34歳の女がいじられキャラを確立してるって、すごいことよ。上司や先輩たちも、「この子はみんなのために、面白いことを引き受けてくれてる」って、あなたに感謝してる。後輩だって、いじられ役を引き受けて、周りを楽しませているあなたをきっと尊敬していると思うわ。

それに、せっかくいい感じで、責任ある仕事を任されるところまで来たんだから、ここで逃げたらもったいない。いじられキャラを手放したら、あっという間に「扱いづらい女」になってしまうわよ。

「本当は嫌なのに」って感情がわいてきたら、「いやいや、あんたはすごいことをしてるんだよ」って、自分をほめてあげて。いじられるたびに、「またポイントを稼いだ」と思えばいいのよ。

「女の子」の気分を味わえないつらさは、職場の外で解消しましょう。

一番の特効薬は、あなたの女の部分をちゃんと見てくれる男ね。「おまえはいいやつだよ」ってキスしてくれる男が1人いれば、すごく安心な保険になるし、職場で多少いじられても、気にならなくなると思うんだけど。

見つからなければ、ゲイバーで気を紛らわすのもおすすめよ。そういうお店に来る人って、仕事のできる女が多いの。みんな男社会の圧力に耐えながら働いてて、「うちら、いつ男できるんだろうね。ギャハハ!」って傷をなめあったり、オカマたちと「このブス!」って罵(ののし)りあってスッキリしてる(笑)。

「笑える女」をいじって、ストレスを解消しようとする男もいるけど、そんなチンケなやつは相手にしないで、サラッといなせばいい。それができたら、あなたは周囲にどんどん差をつけて、カッコいい女になれるわよ。

ブルボンヌ
女装パフォーマー、エッセイスト。新宿で「Campy! bar」などをプロデュース。「週刊ニュース深読み」(NHK総合)、「ノンストップ!」(フジテレビ系)などに出演。ラジオパーソナリティーも務める。

中津川詔子=構成 遠藤素子=撮影