――どんなコンセプトで、どんな売り場を作ったのでしょうか?

女性もキャリアを重ねていくと、日常のビジネスシーンだけではないシチュエーションが広がっていくわけです。日常のビジネスシーンだけではなくパーティーやレセプションといった社交シーン、国内外の出張といった移動シーンに対応した服と雑貨をそろえました。

肥塚さんがこの日着ていたのは華やかな黒のワンピース。「年齢を重ねても体に合うカッティングで、楽なのにきれいなんですよ」

――まさに、欲しかった売り場です! 逆にいえば、どうして今までなかったのでしょうか?

日本でエグゼクティブ的な役割を担っている女性が、まだ少数派だからでしょうか。でも、調査結果から確かなニーズがあり、これから大きくなる市場であることが裏付けられました。高島屋では、その市場を見据え、先駆けて展開していこうと考えているのです。

――バリバリのキャリアスーツだけでなく、女性ならではの華やかさや柔らかさは、どんなにステップアップしても失いたくないもの。「エクセラウンジ」に行けば、そのあたりのアドバイスも受けられるのですね。

バイヤー出身のベテランを配していますので、どんどん相談してください。女性の活躍が広がっていくように、売り場も進化させていきたいと考えています。

石塚由紀
三越伊勢丹 執行役員 営業本部 エリア・チャネル事業 統括部 伊勢丹立川店長。慶應義塾大学卒業後、1985年伊勢丹に入社。営業本部MD統括部 婦人統括部新宿婦人第一営業部販売担当長、営業本部基幹店事業部 三越日本橋本店 婦人営業部長を経て、2015年4月より現職。
肥塚見春
高島屋 専務取締役(代表取締役) 営業本部(オムニチャネル戦略推進本部)本部長。一橋大学卒業後、1979年高島屋に入社。営業を経験したのち夫の転勤に伴い85年に退社するが、87年に同社に再雇用。上席執行役員営業企画部長などを経て岡山高島屋社長に就任。高島屋取締役を経て、2013年9月から専務取締役。

構成=川島蓉子 撮影=本多康司