来日して感じた、アメリカとの違い

あらためて日本法人のマネジャーから打診を受けたとき、彼女は異動を了承した。高校時代にアメリカへ留学して以来、長期間日本で暮らすのは約10年ぶり。エリックさんも日本の外資系企業にひとまず職を得て、夫婦で来日することになった。

それから1年近くが過ぎようとしているいま、彼女は日本での仕事にも少しずつ慣れてきたと話す。

「ここで働き始めてアメリカとの違いをまず感じたのは、取引先のエンジニアの方々の知識の豊かさでした。アメリカでは『GE』というブランド力だけで信頼される案件でも、強力な競合他社がある日本ではそうはいかない。『どうしてそんな専門外のことまで知っているの?』といつも思うほどで、それだけ求められる技術や知識の水準が高いんです。細かな点まで気を配り、日々要求に応えていかなければならず、本当に勉強になっています」

「人とつながり、やる気を起こさせるのが上手」といわれているオオヌキさん。大学時代に培ったリーダーシップが仕事に生きている。

オオヌキさんの仕事である「アプリケーション エンジニア」は、老朽化した発電用タービンの部品交換や、新たな技術の搭載を提案し、最終的に発電機の効率化を図るものだ。現場で出会う顧客の担当者との対話は刺激が多く、一人のエンジニアとしての能力がより強く求められることに、やりがいを感じているという。

「留学をしてそのまま就職した私は、仕事のやり方もアメリカ流しか知りません。だからこそ、そうした日本企業のカルチャーをしっかり吸収して、それをフィードバックしていきたい」