調理室は適正規模?
幼稚園型の認定こども園などでは、調理室がなく、外部の給食業者を使っている場合もあるでしょう。
でも、施設内に調理室があれば、離乳食やアレルギー食を一人一人に合わせて微調整できたり、園内で栽培した野菜を調理したり、クッキング保育をしたり、調理室を活用した行事ができたり、食育が豊かになります。
60人以上の定員の保育施設なのに、家庭のキッチンを少し大きくした程度の設備しかない施設も見かけますが、そうなると、アレルギー対応が十分にできなかったり、素材からの調理が制約されたりということがあるようです。
いざというときの安全性は?
●非常時の避難路は確保されているか、通路に物が置かれていて実際には使えないなどということがないか。
●保育室の高い位置に物が積まれていて、地震のときに子どもの上に物が落ちてくるような状態になっていないか。
関連して、自然災害のときに予定されている対応も聞いておきましょう。
子どもの目線で見てみよう
見学では、子どもがそこで1日を過ごすということを念頭に置いて眺めてみてください。腰を落としてみれば、子どもの目線で何が見えるかがわかります。
単調な壁にぐるっと囲まれている環境と、窓の外に緑や遊んでいる大きい子どもたちが見えたり、玩具や絵本が置いてある棚が見えたりする環境では、子どもの気持ちもずいぶん違うでしょう。
待機児童が多い中、保育施設を選べない地域も多いのが現状ですが、希望順位を決めるときには、ここに挙げたことがなるべく多く合致する施設、子どもの気持ちになって納得できる施設を選んでいただきたいと思います。
1956年、兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒。出版社勤務を経てフリーランスライターに。93年より「保育園を考える親の会」代表(http://www.eqg.org/oyanokai/)。出版社勤務当時は自身も2人の子どもを保育園などに預けて働く。現在は、国や自治体の保育関係の委員、大学講師も務める。著書に『共働き子育て入門』『共働き子育てを成功させる5つの鉄則』(ともに集英社)、保育園を考える親の会編で『働くママ&パパの子育て110の知恵』(医学通信社)、『はじめての保育園』(主婦と生活社)、『「小1のカベ」に勝つ』(実務教育出版)ほか多数。