父と娘くらいの歳の差カップルはよくある話だが……
でも、よくいるじゃないですか、自分の娘と同じくらい若い女性と付き合ったり結婚したりするオジサン。よくやるな~、むしろなぜ双方に脳のブレーキがかからないのかな~、やはり愛の前に年齢など関係ないのかそうなのか、人間って業が深いぜムムム、などと思うのだけれど、これはどうやら趣味の問題でしかないらしい。とあるアラサー女子が「私、昔はオジ専で、21の時に45の既婚者と付き合ってました。彼は私の父よりも年上で、彼の息子さんは私と3歳しか違わなくて、今考えると我ながらよく付き合ったな、って」と笑っていた件や、50にして25歳の教え子と再婚した大学教授の話など思い起こすに、ふむふむ、まあ確かに社会的に「そのマッチングはどうかなぁ」と異論を挟む向きもあるにせよ成立しているケースは多いし、好き嫌いは別として、そこら辺にあるのだ、「父と娘ほどの歳の差カップル」は。
では逆転して、「母と息子ほどの歳の差カップル」という言葉がもたらす響きを味わってみよう、と目を閉じる。……なんだか岩下志麻が出てくるぞ(映画『魔の刻』ご参照のこと)。ううむ、個人的にはなぜか「いや、そこに行かなくても他に選択肢はあるだろう」「アタマ冷やせ!」「ダメ、絶対」な感じしかしない。この背徳感というか禁断のナントカ、もはや何かの冒涜とまで感じられるのはなぜなのか。「母と息子ほどの歳の差」はいったい何を冒涜しているのというのか。そしてそれは、私たちの文化による刷り込みなのか、あるいは本能的なものなのか。