スマートな人ほど1枚シフト!
【POINT】なぜ必要なのか、施策の背景を1枚でもれなく語る
今回の座談会用に深田さんがダミーで作成した、「プレジデント ウーマン」のオンライン施策の企画書。企画背景に関する要素が1ページにまとまっている。通常は、裏面に「具体的施策案」を盛り込む。読者像と求められている課題、そこから導きだされるキーワードが有機的なつながりを持って頭に入ってくる一枚。
【古澤】でも、男性役員の方々、まだまだ分厚いものがお好きですね。
【深田】そうなの。企画書の厚みに、そのプロジェクトの重み、重要性があらわれる、という考えは根強い……。
【古澤】ご提案する担当の方によっても、よしとするものが違う。スマートで決断力のある人は、「1枚でいいよ」っておっしゃる。そしてその場で、ポイントをつかまえて話し合えるんです。
【深田】うん、新しいトレンドをつかもうとしている人は、どんどん1枚にシフトしてきている。かなり大きなプロジェクトでも「1枚でいこう」と進められるものが出てきました。時代は動いている、と感じますね。
【吉井】それってここ最近のトレンドでしょうか?
【深田】結構前から「企画書は1枚でいい」っていう雑誌の特集があったり、書籍が出たりはしていたんですよね。でも、なかなか現場はそうならなかった。それが、ここ最近、大手企業でも取り入れるところがでてきました。大手企業がけん引し始めると、ここから先の変化は早いんじゃないでしょうか。
【吉井】1枚のスタイルが浸透してきたら、いろいろな部分で業務効率は格段によくなりそうですね。
【深田】ほんと! あとは戦略によって、どう使い分けていくか。
【古澤】臨機応変にできると、無駄がなくなりますね。私、無理、無駄、ムラって大っ嫌い(笑)。企画書や資料作りでも、シチュエーションに合わせた最適なスタイルでいけたらいいですね。
【深田】そうそう。分厚いパワポ資料がいけないというわけではなくて、きちんと役割があります。すべてを網羅して説明しているから、書いた人の手を離れて独り歩きをしても心配ない。企画書は分厚いほうがいい、ペライチがいい、っていう二極化ではなくて、相手やプロジェクトの規模、スケジュール、そういった状況にあわせて使い分けていけたらいいなと思いますね。
撮影=岡村隆広