私のとっておき! 1枚ワザ

ビジュアル化することで変更箇所が一目瞭然!/印刷関連企業勤務・古澤万里子さん作成(用紙サイズ:A4)

【POINT】継続して取引があるクライアントへの報告書は、要点を簡潔に
ビジネスプロダクトアウトソーシングに関わる報告書の一例。継続して取引があるため、すでに共通認識ができている部分は報告書に入れる必要はなし。「従来と比べて何が変わるのか」に絞って、ポイントをビジュアル化。「あれもこれもと情報を入れると、かえってわかりづらい。無駄を省き、パッと見てすぐわかることを重視しています」

【吉井】1枚の企画書を作るのにかかる時間って、どのくらいですか? 私は、セールスするもの自体は変わらないので、この1枚を修正、上書きしているんですが、皆さんは案件ごとに違う企画書、資料を作成するんですよね?

【古澤】確かに10ページの資料を作るより、1ページの資料を作るほうが作業時間は短い。でも、実はかけている時間ってそこまで変わらないかもしれません。というのは、内容を構築したり、入れるべき要素を精査したりするのは、どちらにしても必要だから。

古澤万里子さん/印刷関連企業で人とシステムの業務設計に従事。社内外への資料、報告書などを作成。

【深田】「質を落としていいから、1枚でサクッと作って」って言われることがありますけれど、それは絶対にできない。手抜きをしたら、企画として成り立たなくなっちゃう。

【古澤】抜けているところがないか、矛盾がないか、そもそも何のためにこの企画書を作るのか。目的をしっかりさせておかないと、作りながら「あれ?」って混乱しちゃうことも。私は、まず頭の中にあるものをスケッチブックなどに書き出して、マインドマップを作るところから始めます。

【深田】私もホワイトボードにアイデアをいろいろ書き出しては写真に撮って、整理がつきそうだなと思った段階で、ようやくパソコンへ。私の場合は、20ページの企画書で3日ほど。1ページの企画書でも丸1日はかかります。

【吉井】企画書作りって、パソコンに向かう前から始まっているんですね!

【古澤】そう、いきなりパソコンの前に座っても、全然やる気がでない(笑)。

【深田】手を動かすと、脳が活性化するっていいますよね。本当にそうだなと思います。一回、構想を目に見える形で書き出してみて、全体像を把握することって大切ですね。

【古澤】そうそう。妄想しながら書く。たとえばどんな人がターゲットかな、何が好きな人かな、どんなことに困っているのかな、など。

【深田】妄想、大事です! 想像力を働かせないと、いい提案にはならない。

【吉井】なるほど。それって営業にも通じることかも。

【古澤】吉井さんの営業資料も、もしかしたら30代男性バージョン、40代女性バージョンなど、ご案内する人の世代や趣味にあわせて、いくつかパターンを作ってみると、さらに使いやすくなるかもしれませんね。

【吉井】確かに……! 私も妄想活動してみます!

【深田】企画書や資料って、すごく深いもの。この1枚をどう見せるか、それが企業にとっての営業戦略になることもあるんです。だから大事に作っていかなきゃいけないし、1枚だからといってバカにできない。