【農業】
『幸せの条件』誉田哲也(中央公論新社)
なにかとなにかを比べてどちらがマシかという選択基準だけで生きてきた瀬野梢恵。そんな主人公が、農業を通して「これをやって生きていきたい」と思えるようになっていく。農業をイロハから理解し、その活性化の筋道を考えるのに格好の作品。
【ファッション】
『ランウェイ』幸田真音(集英社)
有名ファッションブランドの女性バイヤーを経て、ニューヨークでファッションブランドを立ち上げる柏木真昼。彼女には、常に前を向いて進んでいくという精神と行動力、顧客に合ったファッションを選ぶという選球眼の鋭さがあった。
【エンタメ】
『水族館ガール』木宮条太郎(実業之日本社)
市役所観光事業課に勤務する嶋由香は、外郭団体の水族館「アクアパーク」への出向を命じられる。しかも、イルカ課という現場の仕事。右も左もわからず、動物を飼育した経験もなければ、興味もない。動物飼育員として格闘する由香の物語が始まる!
【出版】
『ミリオンセラーガール』里見 蘭(中央公論新社)
専門学校を卒業して2年目の正岡沙智は、紙永出版に入社し、書店営業を行う販売促進部に配属。持ち前の行動力で一人前の書店営業ウーマンになるだけではなく、ベストセラーの仕掛け人になっていく。出版社・取次店・書店という「本の世界」をトータルに描写。
【デパート】
『女重役』清水一行(KADOKAWA)
第一屋百貨店で、明石市子が最初の女性重役になる話を軸に、デパート業界の経営の内幕が描かれている。主人公の市子は「理解のある夫」を持ち、家庭と仕事を両立させている。髙島屋の元女性重役・石原一子がモデル。
【フード】
『和菓子のアン』坂木 司(光文社)
高校を卒業するが、したいことも、なりたいものもない梅本杏子は、デパ地下の和菓子屋店「みつ屋」で働き始める。和菓子に関する知識など、まったく持ち合わせていなかったが、次第に、歴史や遊び心に満ちた和菓子の奥深さに魅了されていく。
【広告代理店】
『キャリアウーマン』江波戸哲夫(徳間書店)
広告代理店で働く28歳の女性の活躍と挫折が軽快なタッチで描かれている。主人公は「事なかれ主義」に侵された男性たちに交じって斬新なアイデアを提起するが、最後には「凶器」に変身する。キャリアウーマンにはまだ「お手本」がないという実態がわかる。