業界別・おすすめ経済小説

【金融】
『投資アドバイザー有利子』幸田真音(KADOKAWA)
個人資産の運用について、顧客の立場を考えて、ちゃんと相談に乗ってくれるところがない。そんなとき、ふたば証券の窓口に勤める主人公の投資アドバイザー・財前有利子が登場する。持ち前の正義感でさっそうと難問を解決していく。

【鉄道】
『駅物語』朱野帰子(講談社)
「子どものころからの夢」であった東京駅に配属された新人の若菜直は、「鉄道スピリット」を有した正義感の強い女の子。東京駅で起こるトラブルの数々、駅員の職務、定時発車に向けての関係者の懸命の努力、「撮り鉄・鉄オタ」の実態などがよくわかる。

イラスト=MACCHIRO

【公務員】
『トッカン特別国税徴収官』高殿 円(早川書房)
納める側と納めさせる側、双方の苦悩や心の動き。税金と税務署、特別国税徴収官(略してトッカン)のことがとてもよくわかる本。東京国税局京橋地区税務署に所属する新米徴収官・鈴宮深樹(25歳)は、冷血無比な上司の補佐として滞納者の取り立てに奔走する。

【医院】
『シンデレラ・ティース』坂木 司(光文社)
大学生の叶咲子は、夏休み中に歯科医院でアルバイトをすることに。大の歯医者嫌いであった彼女だが、「患者にやさしいクリニック」のスタッフとの交流を通じて有能な受付に変身。また、患者たちの隠された秘密や不安と接するなかで、人間的にも成長していく。

【サービス】
『インバウンド』阿川大樹(小学館)
「あなたがかけた通販の電話。沖縄につながってるって知ってましたか?」。コールセンターのリアルな内幕を描いた作品。東京でOLをしていたが、リストラされて、沖縄にやってきた上原理美を待ち受けていたのは、コールセンターへの就職であった!

【建設】
『くうねるところすむところ』平 安寿子(文藝春秋)
求人誌の副編集長の仕事に嫌気がさした山根梨央(30歳)。ある日、酔った勢いで建設現場の足場に登り、降りられなくなったときに助けてくれた男性に一目ぼれ。勢いで工務店に飛び込み就職。そこには、亭主に逃げられて社長になった郷子が。女2人の行く末は?

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【メーカー】
『ハタラクオトメ』桂 望実(幻冬舎)
体重100㎏で食いしん坊の北島真也子は、中堅の腕時計メーカーに就職して5年が過ぎる。「女性だけのプロジェクトチーム」のリーダーとして、新製品の開発に必死に取り組むが、男社会のルールに邪魔されることに。見栄、自慢、メンツ、根回し、派閥争い……!