教育費のメインは学資保険や積立預金で

利益が非課税になるのは魅力的ですが、誰にでも、どんなケースにもオススメできるというわけではありません。

前述のとおり、ジュニアNISAで取り引きできるのはリスクがある商品ですから、「減っては困るお金」をジュニアNISAに入れるのは不向きです。

学資保険や積立預金をしっかり行ったうえで、プラスαとしてジュニアNISAを利用する、というのが賢明でしょう。

また投資商品の多くは値上がりや値下がりを繰り返す性質があります。期間が長期になれば利益を得るチャンス(値上がりするタイミング)がくる可能性が高くなり、短期では、景気動向などによってその可能性が低くなることもあります。

子どもが高校生といった場合、大学資金が必要になるまで1~3年程度しかありませんから、そのような短期間でリスクのある商品でお金を運用するのは難しいでしょう。

ジュニアNISAが誕生したのは、教育費など、子どもが学んだり、自立したりするための資金づくりを国が支援する、という考えに基づいており、イギリスでは早くから同様の制度が根付いています。

非課税のメリットは大きいですし、筆者としては、親や祖父母が、ジュニアNISAを通じて計画的にお金を準備することの大切さを教える、投資で成果が得られることを実感させる、ということに、ジュニアNISAの利用価値があると思っています。

どのように利用するのが望ましいか。次回、具体的に考えていきましょう。

フリーライター 高橋晴美(たかはし・はるみ)
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。