早速私は、本書を読み始めた時からパソコンのキーのすぐ横に紙を一枚置き、
思いついたことはすぐにメモをとるようにしました。

実感はというと、「すぐにやるべきこと」「指示を出すこと」「後で調べること」等が明確になり、飛躍的に仕事のスピードが上がっています。社内・社外に向けての発信と文書作成はパソコンで、自分の頭や気持ちの整理は、手書きのメモで――こうして活用始めたメモは「過去を記述した記録」ではなく、「現在の心境や仕事の進捗」、さらに発展して「未来へ向けての思考、行動」が一目瞭然となり、実に心地よいのです。

本書の巻末に収録された著者・小西利行氏と作家・伊坂幸太郎氏の対談では、伊坂氏がこう言っています。「メモするんだったら、手書きじゃないとダメって思ってます。幻想かもしれないですけどね。手書き幻想(笑)」

冒頭に触れた、小泉今日子さんの「デジタルとアナログについて」の答えとも通じるメモ術です。

そういえば『すごいメモ』を読み、思い出した人物が2名いました。1人は20代で出版社勤務の女性、もう1人は還暦を過ぎた現在も音楽プロデューサーとして活躍中の男性。

共通しているのは「メモ魔」ということ。会議室、喫茶店での打合せはもちろん、電車の中、呑み会の席でも「ちょっとメモさせて頂いていいですか?」と言い終わらないうちに手帳を取り出し、メモを始めます。それぞれ抜群に仕事ができます。メモ活用で、仕事や日常をさりげなく、今よりさらに良く変化させてみませんか。