心のケア

●ワクワクしながら頑張る

ミオ・ファティリティ・クリニック 見尾保幸院長

ミオ・ファティリティ・クリニック院長の見尾先生は言います。

「事情はさまざまですが、高齢でお子さんを望まれる女性には、まずはご自身の体の現状を受け止めていただくことが重要と考えています。時計軸を逆回しできない以上、年齢が高くなれば当然、卵子が減り、その質も低下します。しかし大切なポイントは、卵子は無くならないのです。閉経後でもわずかに残っています。残っていれば、その中に質の高い卵子に出会えるチャンスもあり、それを活かして、赤ちゃんに出会える確率を上げる努力が我々の生業です。

イラスト=Takayo Akiyama

私が2013年の厚労省『不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会』に提示した成績では、40歳を超えても、受精卵を繰り返し胚移植すれば、その80%近い女性が妊娠できています。厳しい条件でも、反復胚移植で赤ちゃんの夢は叶うのです。悪条件では、とかくネガティブに考えがちですが、夢の実現に努力することは楽しいはずですので、ご夫婦が未来志向でアドレナリンを体に貯め、ワクワクしながらがんばることが何より肝心ではないでしょうか」

ミオ・ファティリティ・クリニックでは、こうして治療を続け、25回目の胚移植で妊娠された45 歳の女性もいます。出産する頃は46歳になるそうです。