会社から望まれる通りに必死に働いてきて、ふと気がついたらもうこんな年齢になっていた。また、ある日突然「自分のキャリアは自分で選びなさい」と会社に言われて戸惑った……そんな経験はありませんか。
「気がつけば、もうこんな年齢になってしまった」――本連載が主な読者として想定している、キャリアの曲がり角に差し掛かった女性と話をしていると、こんなセリフをよく耳にします。
だから落胆しているとか、焦っているとか、そういうわけではない。ただ、ある日突然その事実に気がつき、驚いてしまった……そういう感じでしょうか。まあ、女性に限らず、かつての自分が将来のことなど想像もできずに、結果的にその年齢に達した時に、昔思い描いていた未来予想図とは大きく違っていることなど、よくある話です。そして「気がつけば、もうこんな年齢」と焦った後には大抵、「これから、いったい私はどうしたいのだろうか?」というフレーズが続きます。
この世代の人たちの多くは、小さな時から「将来何になりたい?」「どんなことがしたい?」「実現したいことは?」と、聞かれ続けた人生だったのではないでしょうか。さらにいうと、それらの問いに対して、頭を振り絞って出した答えは、改めて考えてみると別段実現してはおらず、努力した結果も報われたと実感するほどの手応えも得ていない、という人が大半です。
とはいえ、現状に満足していないわけでもない。毎日が忙しいからいろいろと考えあぐねている時間はない。しかし暇がないことを言い訳に現状のままでいい、とも考えていない。それまで特に思い悩んできたわけではなかったのに、ふと気がついたら「その場でぐるぐる」思案をしてしまうようなのです。