「見られる存在」としての責任感
「とりわけ若い男性社員は数字的な成果を気にするあまり、それ以外のことに目が向かなくなりがちです。だけど、実は目に見える結果の手前には、とても大切な一歩一歩の前進がある。『これまで会えなかった先生に今日は会えた』でもいいし、『以前はあまり話を聞いてくれなかったけれど、最近は対応が変わってきた』でもいい。こうした『成果の手前にある成果』をきちんと評価し、自分が前に進んでいることに気付かせてあげることが、リーダーの大事な役割だと私は考えています」
これは研修室で多くの新人を教育した経験から、彼女が培った姿勢だろう。第四チームのリーダーとなって2年が経つ。今後は別の地域でリーダー職に就くのも楽しみだし、再び新人の教育に携わる仕事にも興味がある。しかし、「どんな立場で仕事をするにしても……」と彼女は笑った。
「女性リーダーの数がまだまだ少ない職場ですから、後輩からも上司からも自分は『見られる存在』の一人なのだと思います。だからこそ、日々の仕事では肩に力を入れず、私自身が楽しそうに、生き生きとしていることが大事。その中で、男性だから、女性だからではなく、自分らしいマネジメントのやり方を発信していきたい。それが今の私の目標です」
■貞光さんの24時間に密着!
6:00~8:00 起床
8:00~8:30 自宅出発
8:30~10:00 特約店到着/出社・朝礼/打ち合わせ
10:00~11:00 チームメンバー面談
11:00~13:30 内勤
13:30~14:30 昼食
14:30~18:30 得意先訪問
18:30~20:30 帰社/内勤
20:30~21:30 友人と食事
21:30~24:00 帰宅/入浴/読書
24:00~06:00 就寝
大阪府豊中市出身。2002年4月、武田薬品工業に入社。医薬営業本部のMRとして福岡県福岡市内と近郊の病院を5年担当した後、医薬研修室(東京本社)で新人研修などの講師を担当。13年4月より現職。管轄エリアは東京都江戸川区。
撮影=村山嘉昭