異なるタイプの人を受け入れる術を
【河崎環さんの回答】
あいさつは生活の基本、相手に合わせてあなたがその美徳を失うのはもったいないことです。世の中には「他人のあいさつを一切の罪悪感を持つことなく無視できる人」が存在します。これには2種あって、意識的に無視する人と、本気で見えていない・聞こえていない人がいるのです。後者はナントカと紙一重、ある種の天才というか不思議ちゃんというか、集中力が尋常でないレベルで高く、周りに注意を一切払わずに純粋に何かの考えに没頭しています。そういうタイプはある種の宇宙人として受け入れ、すれ違ったらとりあえず会釈でもしてみて「今日も周りが見えてないな、あの人(笑)」と、もし会釈が返ってきたらラッキーくらいに思って彼女の奇人ぶりと元気を確認して楽しみましょう。
さて、感じが悪いのは「意図的に無視する」タイプです。こういう人は、例えば「あの人とは、今のプロジェクトが終わる◯月までの付き合い」とか「もう仕事で絡むこともない人」と分別しているようです。仕事でもプライベートでも、自分に利害関係がある人には関心があるけれど、なくなったら視界から意図的に外して無視するという習性なのです。ですからそういうタイプも別の種の宇宙人として受け入れ、すれ違ったらとりあえず会釈でもしてみて「今日もアタシは『重要リスト外』なのね、あの人(笑)」と、もし会釈が返ってきたらラッキーくらいに思って彼女のエグい割り切りぶりと元気を確認して楽しみましょう。
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。
文=本田健、河崎環 イラスト=伊野孝行