男性からの視線は「大人の証」
10代、20代のフランス女子もまた美しい。プロのホステスにも、カフェで働く女性にもスタイルがあり、優雅さと生意気さを兼ね備えています。〈生意気な態度〉は〈傲慢〉と誤解されがちですが、実は自分の価値がよくわかっているという自信のあらわれなのです。
フランスでは、女性の顔や体のラインの美しさを表現し、ほめたたえたものを、あちこちで見かけます。銅像や記念碑や広告、郵便切手など。少女たちの自尊心は、こうして育まれていくのでしょう。
フランス人男性もまた自己主張が強く、ほめ上手で、軽口が得意な人が多いようです。アメリカ人ほど性差別の訴訟などを気にしませんし、女性はほめられるのが好きだとよくわかっています。こうして男性から毎日のように遠慮なくほめられ注目されて、フランス女性はどんどん魅力的になっていくのです。そんなことがあるかしらと思うかもしれませんが、本当です。フランス女性が服装に気をつかい、ボディケアを念入りに行うのは、もちろん自分の幸福感を高めるためですが、同時に男性の称賛を浴びたいからでもあるのです。
彼女は家から一歩外に出た瞬間から、すべての目が自分を見ていることを自覚しています。だからバレリーナのように顔を上げ、胸を張って歩くのです。
フランス女性は小さな頃から、注目されることが一般的に害のないものだということを学びます。男性からの視線を感じるのは、男女がたがいにほめ合う、大人の社会の一員になった証なのです。
とりわけ、服を念入りに選びます。わずかにセクシーさを感じさせるおしゃれな服装をしますが、度を超すことはありません。見せびらかすのは、体の一部だけ。たとえば脚を見せるのだったらミニスカートにブーツを履き、そのぶん上半身はだぼっとしたセーターで体の線が出ないようにします。注目は浴びたいけれど、妙な注目はご免ですから。
フランス女性は男性を喜ばせることが好きです。ショッキングな響きでしょうか?
でも同時に、フランス男性もまた、女性を喜ばせるのが好きなのです!
※本連載は書籍『セクシーに生きる ――年を重ねるほどに、フランス女性が輝きを増す秘密』(ジェイミー・キャット・キャラン著、プレジデント社刊)からの抜粋です。
アメリカ生まれ。フランス人である母方の祖母のもとで育ったアメリカ人女性。書籍『セクシーに生きる』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1067)は、リアルな告白エッセイとして高い評価を得、たちまちベストセラーとなり、10カ国以上で翻訳されている。ニューヨークタイムズ紙をはじめ多くの新聞雑誌に恋愛指南コラムを執筆するほか、ニューヨーク大学、エール大学、 UCLAでライティングの講座をもつなど、著作以外の活動も活発に行っている。マサチューセッツ在住、気象科学者の夫とともに暮らす。http://www.jamiecatcallan.com
訳=永峯涼