偏りを確認することが大切
次は「偏っていないか」のチェックです。
つくったリストをもとに、どんな資産を、いくら保有しているかを円グラフで表すと全体のバランスを捉えやすくなります。
金融資産は「流動性資産」、「安全性資産」、「利殖性資産」の3つに分類します。
【流動性資産】
生活費として必要なお金、病気やケガ、冠婚葬祭など、急な出費に備えるためのお金で、いつでも引き出せる資産。おもに普通預金や貯蓄預金など。
【安全性資産】
元本が保証されている資産で、定期預金などが該当する。住宅購入の頭金、教育費、車の買い替え資金など、ライフイベントに備える資金。個人向け国債は元本保証がないが、国で利払いや償還を実質的に保障しているので、安全性資産に位置付けられる。終身保険なども、保険会社の健全性に問題がなければ安全性資産としていい。
【利殖性資産】
株式や投資信託など、元本保証がない代わりに、収益性が期待できる資産。元本割れのリスクがあるものの、預貯金よりリターンが期待できる。
それぞれの資産がいくらずつあるかを計算して、円グラフを描きます。金融資産が300万円で、定期預金と個人向け国債が100万円なら、100万円÷300万円×100で、安全性資産の割合は33%です。
利殖性資産については、その中身も要チェック。単に「投資信託」というのではなく、投信が投資している資産(株式、債券、リートなど)に注目します。
株式に偏っていれば、株式とは異なる値動きをしやすいと考えられている債券を併せ持つ、国内だけに投資しているなら海外の資産も組み入れるなど、分散を考える必要があります。
「流動性資産がほとんど」という人は、安全性資産を増やして少しでも有利に増えるようにした方がいいですし、「利殖性資産が多い」という場合は、住宅購入の費用や教育資金などを安全性資産にしなくていいか、考えたいところです。