聡明な女性が男心をつかむ
わたしたちは経済的に困難な時代に生きています。自分で生計を立てていかなければならず、物価は高い。それなりの教育を受けたあとは、自分で自分を養っていかなくてはなりません。誰かが助けにきて、必要なお金を払ってくれるのを期待するなんて甘すぎます。それに、世の中の男性は(フランス人男性さえも!)、ある程度のお金を稼げるぐらいの知性を持ち合わせた女性を好むのです。
ロマンティックとはほど遠いと思われるかもしれませんが、どんな男性も、末永く一緒にいようと思う女性を選ぶ際にはかならず考慮に入れることです。いい生活をするためにお金を稼ぐ能力があって、家計を支えることができる知的な女性を求めているのです。
ですから、あなたの知性を押し隠す必要などありません。フランス女性はもちろん隠したりなんかしません。自分の世慣れた様子や知的好奇心が、男の心をとらえて離さないのを知っています。
男は、女を〈自分のものにした〉と思った瞬間から彼女への関心が薄れ始めることを、フランス女性は知っています。彼女を手に入れたと思ったときから、彼は彼女に飽き始め、追いかけるのをやめてしまう。だからこそフランス女性は、自分の夫に対してさえも、少しだけミステリアスな部分を残しているのです。たとえば毎日のルーティンを少し変えてみたり、新しい舞台を観にいったり、郊外でのコンサートに行ったり、というふうにです。
フランス女性は夫や恋人ぬきでの小旅行にもよく出かけます。彼女たちは夫や恋人との関係に〈もたれかかる〉ことなく、少なくとも精神的に自立しています。
聡明な女性はマンネリを打破する方法を心得ています。髪型を変える(ウィッグをつけてもいいでしょう)、エキゾティックな料理をつくる、外国語を習うなど、ちょっと日常を変えるだけで自分への関心を取り戻すことができます。このような変化に、男は警戒します。彼女はまだまだミステリアスで、自分はまだ彼女を充分に理解していなかったのではないか。油断せずに見張っておかないと、もっと魅力的で積極的な誰かに奪われてしまうかもしれない、と気を引き締めるのです。
※本連載は書籍『セクシーに生きる ――年を重ねるほどに、フランス女性が輝きを増す秘密』(ジェイミー・キャット・キャラン著、プレジデント社刊)からの抜粋です。
アメリカ生まれ。フランス人である母方の祖母のもとで育ったアメリカ人女性。書籍『セクシーに生きる』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1067)は、リアルな告白エッセイとして高い評価を得、たちまちベストセラーとなり、10カ国以上で翻訳されている。ニューヨークタイムズ紙をはじめ多くの新聞雑誌に恋愛指南コラムを執筆するほか、ニューヨーク大学、エール大学、 UCLAでライティングの講座をもつなど、著作以外の活動も活発に行っている。マサチューセッツ在住、気象科学者の夫とともに暮らす。http://www.jamiecatcallan.com
訳=永峯涼