●猛者タイプの女性上司が多い

一方、若い時期に責任ある仕事を任せられるので店長やリーダーの肩書を武器に転職する人も30歳前後に多いという。30歳を超えて続けている人は今の仕事が好きだという人が多いが、次なるハードルも待ち受けている。上司の厳しい要求に応えなければいけないのである。

「女性が主の会社なので、男性上司よりも女性上司が仕事に厳しい。むしろ男性は女性の機嫌をとることが多く、リーダーシップは完全に女性が握っています。厳しさに耐えられずに精神を病んで辞めていく人もいるぐらいで、会社もそれを問題視しています」

上級幹部の女性ほど結婚していない人が多いという。

「結婚し、子どもがいる人でも祖父母が近くにいるとか環境に恵まれていないと昇進は難しいですね。子どもを持つ管理職の女性が地方に転勤する際に祖父母も一緒に連れていったという話もあるくらいです」

●本部社員は毎日ノー残業デー

同じく女性従業員比率は半数近いが定着率が低いのが良品計画。だが、40代の男性社員Bさんは、本部と店舗で分けて考えるべきだという。

「うちはアルバイトや契約社員をパートナー社員と呼んでいるので、これはこの人たちも含めた数字ではないでしょうか。本部社員の離職率は5%以内と聞いていますが、店舗では30%を超えるかもしれません。また、正社員にあたる本社員は新卒入社だけではなく、パートナー社員から登用される人も結構います」

ただし、パートナーから本社員、さらに昇進していくにはいくつかのハードルがある。スキル・能力ごとに1~6のランクがあり、5~6になると登用試験の対象者になる。筆記と面接を経て毎年80人前後が本社員に登用されている。また、アルバイト出身の宣伝担当役員もいる。

「アルバイトからはい上がるには競争も厳しいですが、男女の区別なく実力があれば昇進できます。管理職になるには試験もありますが、店長を含めた3割強が女性ですし、海外でもアメリカ法人の社長は女性。イタリアの社長を務めた女性もいます」

新卒で落ちてアルバイトで入り、管理職になった女性もいるという。子育て世代も多いが、仕事との両立支援策にも力を入れている。本部社員になると毎日ノー残業デーが実施され、定時に帰ることが可能だ。

格付けの構成、解説=海老原嗣生 文=溝上憲文 編集協力=砂塚美穂、池田純子 取材協力=転職・就活に役立つ企業口コミサイト「キャリコネ」