社員が告白! データには出ない本当の話

●10年で半数が辞めていく会社

国内外でブライダル事業を展開するワタベウェディングは、女性比率約70%、役職者の女性比率が40%を超える女性王国。だが、入社3年後の定着率73%、勤続年数は6~7年という数字が示すように生存競争は厳しい。

30代前半の女性社員Aさんも「新卒入社の同期は約30人ですが、3年後に10人程度が辞め、30歳前後には半分程度になっていた」と語る。なぜ早期に辞めるのか。要因の一つは昇進レースにあると言う。

「入社すると最初は店舗に配属され、3年目までにほぼ全員の社内資格が1ランク上がります。しかしその後は店舗営業での実績を基に、店長になる人、海外支店に栄転する人など明暗が分かれます。入社5~6年もすると、リーダーになれる人とそうでない人との差がはっきりします。その時点で諦めて辞める人が出てきます。図太く居座る人もいますが」

30歳前後の分岐点で、退社を決意するに至るもう一つの要因はハードワークを含めた将来への不安だ。

「休日出勤は当然としても、拘束時間が長く、終電に間に合わないので駅まで走っていくような日々もあります。本当に接客や今の仕事が心から好きだと思えなければ勤まらないし、誰もがこの仕事を一生やっていけるのかどうか考えるのが30歳前後です。女性が多いので結婚して子どもをつくりたいという人もいる。以前は子どもができると定時に帰れる管理部門などに異動できましたが、今はそうした部署は先輩女性たちで満杯になっている。そうなると店舗でサポートを受けながら働くしかありませんが、どうしても限界があります」