5年前、アメリカ人の夫と離婚。別れた直後のクリスマスは、おしゃれなツリーやオーナメントで部屋じゅうを飾りつけた。だが3年前、多忙な部署に異動。年末が近い12月は、掃除さえ面倒に。
そこで初めて利用したのが、当時、クリスマス前後におひとりさま向け宿泊プランを展開していた、東京・赤坂見附のホテルニューオータニだ。
一歩足を踏み入れると、そこは別世界。眺めているだけでうっとりする豪華なツリーやイルミネーションに、「お困りごとは?」などとお姫さま扱いしてくれるスタッフ。クリスマスの「居場所」をアウトソーシングする喜びに、胸が震えた。
近年、ホテルには外国人観光客が急増、クリスマスにおひとりさまプランを展開するホテルは減った。ただ、あるホテルの企画担当者によると、「クリスマス前後は、働く女性が“自分にご褒美”をあげたい時期」とのこと。冬のボーナスが出た直後でもあり、30~40代で働くおひとりさま女性は、注目の客層だという。
そして、4歳の娘をもつキャリアウーマンのC子さん(41)。今年、サンタクロースのアウトソーシングを計画中だ。プレゼントとチャリティー金を渡せば、ボランティアがサンタに扮ふんして訪問してくれる、NPO法人「チャリティーサンタ」(東京都三鷹市)の利用を考えている。
2014年のクリスマス、サンタ役をお願いした夫は、夜中に酔っ払って帰宅し、プランは台無し。共働きでふだん寂しい思いをさせている娘の笑顔も見られなかった。多少の費用負担でアウトソースできるなら計画も安心、期待も高まる。
皆さんも今年、利用してみては?
世代・トレンド評論家。マーケティングライター。インフィニティ代表取締役。財務省財政制度等審議会専門委員。最新刊は『恋愛しない若者たち』。
イラスト=Yooco Tanimoto