自分のことを受け入れてくれない人がいる。どうにもならない事実がある。そして、毎日不満ばかり言っている私に自己嫌悪……。ヘルプ!

取捨選択の目を養う

リクルートに入社した当初は、落ちこぼれ社員だった。1日中歩き回っても1件も契約が取れず、営業は向いていないと思い詰めたことも。

「商品の知名度がない、客が予算を持っていない。売れないのは、商品や環境のせいだ! とふてくされていました。でも、人のせいにするのはラクですが、それでは成長がないんですよね。制限があるからこそ人は工夫するのだと気付いてから、仕事がおもしろくなって、成績も上がっていきました」

太田彩子さん

予算がないクライアントばかり担当させられるのはなぜ? どうしてうちの会社は、この商品をいつまでも改良しないの? こうした悩みを抱えているビジネス・ウーマンも多いだろう。

「仕事って、自分の自由にならないことのほうが多い。でも、変わらない事実に目線を合わせていても、モヤモヤとフラストレーションがたまる一方」

客はこうすべきなのに、全く動こうとしない。上司ならこうあるべきなのに、怠慢だ。「~すべき」というマスト思考にがんじがらめになって、結局動けなくなってしまう。

「私は、自分ではどうにもならない部分はすっぱりあきらめていいと思う。その分、変えられるところに集中すれば、仕事は断然楽しくなります」

あきらめるというと、ネガティブで後ろ向きなイメージがあるが、太田さんの「あきらめる」は、強みを生かし、極めていくための前向きな選択だ。