好印象で終わらせることを忘れずに

そのときはとても腹立たしく、「なんであんな言い方をするのだろう」と、いつも帰路でなんとも言えない嫌な気持ちになりましたが、よく考えてみると、その手法が実は「その男性がミーティングで自分の意見を上手に言うためのテクニック」だったことに気づいたのです。

議論の最後に相手を否定してから自分の話を始めると印象を強めることができるのです。

もし議論の途中で同じことを言ったら、「たいしたことを言っていない」と周りから見破られてしまうところを、議論の最後のほうで主張することで、誰からも反論されることなく相手に自分を印象づけられる。皆に強いインパクトを残すには、なかなかうまい手だった、というわけです。

ちょっと嫌な体験談ではありますが、最後のほうで発言することで印象が深まるというポイントは大いに活用できます。就職活動の集団面接でも応用できるかもしれません。

そこで、この経験を前向きにアレンジしたのが、「人前で意見を言うことが苦手な人は、最後のほうで意見を言う」というテクニック。

議論の途中で意見を使い果たしてしまうのではなく、最後に発言することで、「自分の意見をしっかり持っている人だ」と思わせることができるのです。

ただし、好印象を残すためには、相手を否定するような発言はNG。相手の意見を尊重しながら上手に自分の意見を伝えることで、デキる女性と印象づけられるのです。

※本連載は書籍『30歳から自分を変える小さな習慣』(島村美由紀著、プレジデント社刊)からの抜粋です。

島村美由紀(しまむら・みゆき)

商業コンサルタント。1956年、神奈川県川崎生まれ。雑誌・書籍の編集業務、シンクタンク研究員を経て、商業コンサルタントとして独立。株式会社ラスアソシエイツ設立、代表取締役就任。都市計画、商業施設計画、店舗業態開発などのコンセプトワークやトータルプロデュースを手掛け、大規模開発を成功させる。ラゾーナ川崎プラザ、羽田空港第1旅客ターミナルビル「スタースイーツ」など、実績は多岐にわたる。著書に『30歳から自分を変える小さな習慣 運を引き寄せる女性の6つの法則』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1713)がある。