「会議に出席するからには、何か発言せよ」と言われたことはありませんか? しかし、タイミングがつかめない、内容ある意見をたくさんは思いつけないといった理由から、「会議で発言するのは苦手」という人も多いものです。そんな人におすすめしたいのが「最後の最後で発言する」ことです。なぜでしょうか?

なぜ会議の最後での発言が効果的なのか?

あなたは、会議の席で意見を持っているのに、ドキドキして発言することができなくて悩んでいませんか?

口下手だからと、会議などで意見を述べることが苦手な女性社員に対して私は、

「なるべく最後のほうで意見を言うように」

とアドバイスしています。もうすぐ議論がお開きになりそうなところで意見を言ったほうが、効果的に自分を印象づけることができるからです。

仕事人は逃れられない会議。「発言しなきゃ!」というプレッシャーにドキドキし通しでは、会議自体にも集中できなくなってしまいます。発言のタイミングは「最後」と決めて、少ないチャンスで効果的に自分を印象づけていきましょう。

これは私が自身の体験から学んだことです。

30歳だった私はある案件のミーティングに臨んでいました。同じメンバーで何度かミーティングを行うのですが、その帰り道に、なぜかいつも非常に暗い気持ちになってしまうのです。最初は、なぜ毎回暗い気持ちになってしまうのか分からなかったのですが、その原因は、ミーティングの最中にほとんど発言をしないある男性が、議論の終盤に毎回、「島村さんの言ってることは、違うんだよね」というひと言を皮切りに話をし始めることにありました。しかし、その内容は私の意見になんら関わりのないその人なりの意見で、私の意見について「○○だから違う」という具体的な批判は毎回ないのです。彼はひたすら自分の意見を述べているだけでした。

好印象で終わらせることを忘れずに

そのときはとても腹立たしく、「なんであんな言い方をするのだろう」と、いつも帰路でなんとも言えない嫌な気持ちになりましたが、よく考えてみると、その手法が実は「その男性がミーティングで自分の意見を上手に言うためのテクニック」だったことに気づいたのです。

議論の最後に相手を否定してから自分の話を始めると印象を強めることができるのです。

もし議論の途中で同じことを言ったら、「たいしたことを言っていない」と周りから見破られてしまうところを、議論の最後のほうで主張することで、誰からも反論されることなく相手に自分を印象づけられる。皆に強いインパクトを残すには、なかなかうまい手だった、というわけです。

ちょっと嫌な体験談ではありますが、最後のほうで発言することで印象が深まるというポイントは大いに活用できます。就職活動の集団面接でも応用できるかもしれません。

そこで、この経験を前向きにアレンジしたのが、「人前で意見を言うことが苦手な人は、最後のほうで意見を言う」というテクニック。

議論の途中で意見を使い果たしてしまうのではなく、最後に発言することで、「自分の意見をしっかり持っている人だ」と思わせることができるのです。

ただし、好印象を残すためには、相手を否定するような発言はNG。相手の意見を尊重しながら上手に自分の意見を伝えることで、デキる女性と印象づけられるのです。

※本連載は書籍『30歳から自分を変える小さな習慣』(島村美由紀著、プレジデント社刊)からの抜粋です。

島村美由紀(しまむら・みゆき)

商業コンサルタント。1956年、神奈川県川崎生まれ。雑誌・書籍の編集業務、シンクタンク研究員を経て、商業コンサルタントとして独立。株式会社ラスアソシエイツ設立、代表取締役就任。都市計画、商業施設計画、店舗業態開発などのコンセプトワークやトータルプロデュースを手掛け、大規模開発を成功させる。ラゾーナ川崎プラザ、羽田空港第1旅客ターミナルビル「スタースイーツ」など、実績は多岐にわたる。著書に『30歳から自分を変える小さな習慣 運を引き寄せる女性の6つの法則』(プレジデント社)(http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=1713)がある。