地方創生に萌えキャラが登場するなど、日本における表現は欧米人から見てぎりぎりアウトなものも多い。「日本人は“エロ耐性”がある」と微笑ましい誤解もあるようだが、これはただ、日本が男女みんなでお互いに「幼く無知で素直で成熟していないことには価値がある」と、ガラパゴス的な価値観を醸成発酵させてきた帰結だ。

言語的な障壁のおかげで、厳しい批評に晒されてこなかった日本の文化。国際的な注目をきっかけにそのおかしな部分が批評され、日本人の「常識」などはローカルルールに過ぎないことを認識し、発言や表現が修正されていくのは悪いことではない。それが本当の意味で国際感覚を身につけるということなのだから。

河崎環(かわさき・たまき)
フリーライター/コラムニスト。1973年京都生まれ、神奈川育ち。乙女座B型。執筆歴15年。分野は教育・子育て、グローバル政治経済、デザインその他の雑食性。 Webメディア、新聞雑誌、テレビ・ラジオなどにて執筆・出演多数、政府広報誌や行政白書にも参加する。好物は美味いものと美しいもの、刺さる言葉の数々。悩みは加齢に伴うオッサン化問題。