[C]の人の性格傾向と心理分析
バランスのとれたタイプです。「自分では発言が的を射ているし、決してでしゃばってはいない」と思っていても、「ひょっとしてそれに気を悪くしている人もいるかもしれない」とたまに感じるあなたは、心の中に社会的スキルの安全弁が働いている人です。

対策
普段は自分に自信があり、言いたいことはちゃんと言えているけれど、たまに他者評価が気になりますね。でもその調子で今後も続けて大丈夫です。パフォーマンス心理学で「第3の目」という、相手にどう見られているかを意識して振る舞う、自分の内側を見る目、別名「見せる目」がちゃんと正常に機能しているので、特に大きな失敗もしないでしょう。ときどき人の評価が気になるわけですから、人間関係も安全です。

[D]の人の性格傾向と心理分析
自信家でわが道を行くタイプ。自分への他者評価が全く気にならない人です。実はこれには2つの性格が含まれます。1つはソーシャルスキルズ(社会的スキル)と呼ばれる人間関係づくりのコミュニケーション力や、挨拶や問題解決のスキルがしっかりあって、そのために不安感のない人。もう1つは、相手や周囲は相当迷惑をしているけれど、自分が全く気にしていない能天気な人です。例えば全員仕事をしているのに、平気で挨拶もなく帰ってしまう人などがこれです。前者なら大丈夫ですが、後者だと問題があります。

対策
周りがあなたをとても迷惑だと思っていても、本人は全く気にせず、したがって不安感とは無縁なあなた。毎日よく眠り、よくしゃべり、よく食べて、仕事の能率も良いことでしょう。ただ、仲間や部下など他の人の助けも借りたい状況になった時に、突然相手の気持ちを知ろうと思っても手遅れであることがあります。日頃からもう少し相手の気持ちに配慮して、その場とその時の周囲との関係性の中で、誰かを不愉快にしていないか、ときどきチェックしましょう。それができたらさらに大人の女性として信頼されます。


 まとめ 

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【自己・他者における4つの評価カテゴリー】A:自己評価も他者評価も高いタイプ→このままで大丈夫です/B:自己評価だけが高く、他者評価が低いタイプ→他人の目にも気を配りましょう/C:自己評価も他者評価も低いタイプ→自分の長所に注目して少しずつ自信をつけていきましょう/D:自己評価は低いが、他者評価が高いタイプ→心配無用。自信を持って振る舞いましょう

自分のことを周囲がどう思っているかを気にするという視点は、人間が社会的動物である以上、あって当然の視点です。でも自分らしく生きていく個性化のプロセスと社会に合わせて生きていく社会化のプロセスは、程よくバランスを取って両方上昇していくことが大切です。人の目ばかりを意識していると卑屈になったり、無理な言動が増えたりします。
例えば、友達に誘われたパーティーで、周りの人に良く思われたいという気持ちだけで無理して高いドレスを買って着ていき、人の目ばかり気にしていたら、ほめてもらえなかった時に一層みじめな気持ちになるでしょう。周囲にとっても快適な自分であることは心がけたいことですが、自分を無理に抑えて周囲に合わせ続ける必要はないのです。「嫌われる勇気」も時に必要です。拙著『30日間で生まれ変わる! アドラー流心のダイエット』(集英社刊)も参考にしてみてください。


佐藤綾子 パフォーマンス心理学 博士
常に女性の生き方を照らし、希望と悩みを共に分かち合って走る日本カウンセリング学会認定スーパーバイザーカウンセラー。日本大学芸術学部教授。「自分を伝える自己表現」をテーマにした単行本は180冊以上。新刊『30日間で生まれ変わる! アドラー流心のダイエット』(集英社刊)は9月4日発売。