積み立て投資と上手につきあおう

さて、ドル・コスト平均法の特徴をまとめるとこんな感じでしょうか。

【1】平均購入単価は下がるが損するときは損をする
【2】相場が下がった後に上がったときには最大の効果
【3】下がるばかりの相場では損が拡大
【4】相場が上がってから下がったときは要注意
【5】行ったり来たりの相場が続くと効果あり

実際の相場では、価格が小さな上下動を繰り返しながら長期にわたって上昇したり、下落したりすることが多いもの。積立投資は何年も続けてこそ効果があるので、毎月の小さな変化に一喜一憂せず、相場の大きな流れを見ることが大切です。

「忘れていても気づいたときには増えている」というのは積立貯蓄。積立投資では「気づいたときには損している」ということも起こります。定期的に現状をチェックして、必要とあらば売却して乗り換える判断も欠かせません。

「積立投資」はあくまで投資。投資で利益を出すのには、やはり頭を使って、それなりの手間をかける必要があるのです。

マネージャーナリスト 有山典子(ありやま・みちこ)
証券系シンクタンク勤務後、専業主婦を経て出版社に再就職。ビジネス書籍や経済誌の編集に携わる。マネー誌「マネープラス」「マネージャパン」編集長を経て独立、フリーでビジネス誌や単行本の編集・執筆を行っている。ファイナンシャルプランナーの資格も持つ。