逆戻りのパターンではショックな結果も

次は、いったん上昇したり下落したりした後、価格が元に戻るパターンです。「結局、損得なし」と思いがちですが、積立投資では意外な結果になるので注目です。

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●好調相場でも損する可能性あり

 <ケースC>上昇後に逆戻りパターン 

いわゆる「行って来い」のケース。基準価額と購入口数は次の通りです。

【1】1万円(1万口)→【2】1万2000円(8333口)→【3】1万4000円(7143口)→【4】1万2000円(8333口)→【5】1万円(1万口)

購入口数は合計4万3809口、評価額は4万3809円です。つまり、投資元本5万円に対して6191円の損が出ているということ! この場合、基準価額が一度もスタート時点を下回っていないので、損をしている感覚はないでしょう。でも、これが積立投資の特徴で、高いときにも買っているため、損が出る結果になるのです。

このケースの平均購入単価は1万1413円。基準価額の単純平均1万1600円より187円低くなっています。「高いときには少しだけ買う」というドル・コスト平均法の効果は出ているものの、上昇後に下がってきたケースは要注意といえるでしょう。

 <ケースD>下落後に逆戻りパターン 

ケース5の反対で、いったん下がった後に元に戻るケースです。

【1】1万円(1万口)→【2】8000円(1万2500口)→【3】6000円(1万6667口)→【4】8000円(1万2500口)→【5】1万円(1万口)

購入口数は合計6万1667口、評価額は6万1667円。基準価額が一度もスタート時点を上回っていないのに、1万1667円も利益が出ています。これはうれしい!

このケースの平均購入単価は8108円。基準価額の単純平均8400円より292円低くなっています。「安いときにたくさん買う」というドル・コスト平均法の効果が最もよく表れるのが、このように「下落してから上昇する」というパターンです。ただし、上昇しなければ損を取り戻すことはできないので、その見極めが重要になります。