限られた時間の中で成果を上げる人には、何か秘密があるはずです。1日の時間の使い方はもちろん、1週間の流れの中でも、仕事と生活の緩急のリズムを上手につくっているに違いありません。8人の時間管理の名人たちにその秘訣を聞きに行くと……

補化合物という新薬のもとになり得る“種”を見つけるため、武田薬品工業で日々研究や実験を重ねる本間さんは、2014年7月に育休から復帰した1児の母だ。

武田薬品工業 医薬研究本部 化学研究所 主任研究員 理学博士 本間実咲さん

「ここまではやっておきたいと、妊娠中もよく残業をしていました。今は時間内に終わらせなければならないので、より仕事の効率を考えるようになりました」と話す本間さんの1日は、分刻み。社内保育所に娘を預けて出社し、昼休みを使って授乳、定時退社後に娘を迎えに行って帰宅する。そのため、毎朝欠かさず行っているのがTo Doリストの作成だ。「今日は何をどこまでやるか、ふせんにリストアップして、優先順位をつけます。退社前にも、明日やるべきことを書き出す。こうしておけば、仕事の状況の整理ができ、万が一、子どもが熱を出して休むことになっても慌てず引き継ぎができます」

さらに、所内では常に1冊のノートを持ち歩いて、実験内容や会議の議事録、思いついたことなど、何でもメモするようにしている。「1冊に情報を集約しておけば探す時間が省けます」