返済が苦しい場合は「返済額軽減型」

とはいえ、返済額が増えるほかに、住宅ローン控除が終了したり、教育費の支出が増えたりと、ダブル、トリプルでダメージが生じることがあります。一気に家計がピンチ、ということも考えられなくはありません。

その場合は、「返済額軽減型」での繰り上げ返済を検討しましょう。

前述のケースで、5年後、「返済額軽減型」で約100万円を繰り上げ返済すると、金利が3%に上がっても、毎月の返済額は10万8733円。毎月の返済額は「期間短縮型」より約4000円抑えられ、金利上昇のダメージを少し小さくできます。

ただし、繰り上げ返済をすれば手元資金(貯蓄)が減ります。繰り上げ返済をして毎回の返済額を抑えた方がいいのか、なんとか返済額のアップに対応して手元資金を厚くしておくべきかを、慎重に考えてください。

焦らず、確実にローンを減らす

最後に。繰り上げ返済で利息が減ったり、返済期間が短くなったりすると、繰り上げ返済の虜になってしまいがちですが、少なくとも生活費の3~6カ月分程度、ほかに教育費として貯めている分は、繰り上げ返済に回さずにキープしてください。

家計管理上も負債が減るのは素晴らしいことですが、手元資金がなく、万が一のときにお金を借りるようなことになっては元も子もありません。

金利が3%、4%という時代であれば少しでも早く、少額でもいいからまめに繰り上げ返済を! と言いたいところですが、金利が1%台であれば、それほど焦る必要はないかも。ただし金利が上がったら大変ですから、いつでも繰り上げ返済ができるように資金を増やしておくことは重要です。

焦らず、でも確実にローンを減らす。を心掛けましょう。

フリーライター 高橋晴美(たかはし・はるみ)
1989年よりライターとして活動。資産形成、投資信託、住宅ローン、保険、経済学などが主な執筆テーマ。