定年までの完済をめざす
また肝に銘じておきたいのが、「住宅ローンは定年までに完済するのが王道」ということです。
定年以降も住宅ローンの返済が続くのは大変だからです。
昔は退職金でローンを完済するという人もいましたが、退職金は老後のためにとっておくのが理想です。
前述のケースの場合、「返済期間短縮型」なら、返済期間は18カ月短縮されます。仮に35歳で35年ローンを組んだとしたら完済予定は70歳ですが、それが68歳まで早まることになります。
もう少し頑張れば65歳まで完済できますし、さらに頑張って60代前半で完済できれば、その後は住宅ローンの返済に回していたお金を老後資金の準備に充てられます。
つまり、住宅ローンの繰り上げ返済をすることは、老後の準備にもなる、というわけです。
金利上昇にも効果あり
圧倒的多数の人が変動金利を利用している今、ぜひ知っておいて欲しい繰り上げ返済の効果がもうひとつあります。
それは、「金利上昇による返済額のアップを抑えられる」、ということです。
前述のケースで、5年後に金利が1%アップしたと仮定しましょう。
繰り上げ返済をしていなければ、返済額は9万9378円から11万3355円に約4000円アップします。しかし約100万円を「期間短縮型」で繰り上げ返済すれば、返済額は11万2712円。繰り上げ返済をしない場合より約600円、返済額のアップを抑えられます。
わずかではありますが、繰り上げ返済でローンの借入元金を減らしたことによる効果であり、負担する利息も小さくなります。