今回の不況は、資産運用に対する考え方を見直すチャンスともいえそうだ。この時点で資産をあらためて確認し、自らの状況にふさわしいポートフォリオに組み替えよう。

また、節約についても再考したい。公共料金を削るなどといった小さな節約を重ねても限界がある。今までと同じような暮らしでは、根本的に何も変わりはしない。年収は普通にあるのに老後資金をつくる余裕がどこにもない――そんな人は、ライフスタイルそのものを変えることが必要だ。「妻が専業主婦を続ける」「子どもは小学校から私立に通わせる」「車は大きいほうが」「家は都心のマンションに」――そんな贅沢を捨てられるかどうか。たとえば、子どもから手が離れたら妻がパートに出て、配偶者控除の範囲内(年収103万円以内)で毎月8万円の収入を得れば、10年で1000万円近くの資金を貯めることができる。もっと働いて公的年金に加入すれば、預金が増えるだけでなく、年金額も上乗せになる。車も不要なら手放す。固定資産税や車検費用のほか、マンション住まいなら駐車場代も浮くはずだ。

こまめに節約していればそのうち何とかなる、などと思ってはいけない。この機会に、ライフスタイルも身の丈に合ったものに見直したい。

経済が転換期にある今は、工夫次第で差がつくときだ。始めるのは早ければ早いほどいい。今すぐ行動できるか否かで、金持ち定年になれるか貧乏定年に落ちるかが決まるといえるだろう。

40歳:教育費を貯めながら老後資金を準備
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40歳:教育費を貯めながら老後資金を準備

目前に教育資金の壁が立ちはだかる40歳前後。老後資金づくりをいつから始めるかは、子どもの年齢に合わせて考えよう。

教育費が一番かかるのは子どもが大学生のとき。40歳で下の子が中学生なら、10年後には教育費の負担が終了する。その後は、老後資金づくりに全力投球できる時期だ。教育費に充てていたお金を老後資金に振り替えて、年間100万円、10年で1000万円を目標に老後資金を貯めよう。

問題なのは、子どもの年齢が低いケース。40歳で下の子が生まれたばかりだと、教育費がかからなくなるときには60歳を超えている。教育費の山場を迎える前に、今すぐ老後資金づくりをスタートさせなくてはならない。下の子が高校に入学するまで15年。この間に老後資金1000万円を目標に、年間60万円以上を積み立てる。運用期間が長いので、投信積み立てを利用して利回りアップを目指すといいだろう。入学金の準備や住宅ローンの支払いに追われて厳しい時期だが、妻もまだ若いのだから、遅くとも子どもが小学校に入学したら働いて、できるだけ貯蓄を増やすのが現実的な方法だ。

(構成=有山典子)