――男性の姿勢、企業、そして社会に変化を起こすためには、どうしたらいいのでしょう。
女性自身が要求していかなければ、何も変わりません。社会全体で働き方を変えていくには、4つの鍵を動かす必要があります。「政府」「企業」「女性」、そして「男性」です。
政府と企業が社会を変えたいと思い、制度や方針を変えて動くことはもちろんですが、女性も強い気持ちを持って求めていくことが必要です。
そして、男性も変化を求めていかなければなりません。なぜ他の先進国で変化が起きたかというと、男性がもっと子どもと一緒にいる時間が欲しいと声を上げたことが理由の一つです。日本人男性のことはあまりよくわかりませんが、男性も長時間労働は反対でしょうし、女性の活躍を歓迎する男性も多くいます。
女性たちも彼らの声を聞いて協力していかなければいけません。この4つが動けば、日本でも変化が生まれていくはずです。
――企業、また社会を変えるには時間がかかると思いますが、今私たちが取り組めることはあるのでしょうか?
企業はなかなか動きません。企業は常に人より動きが遅いのです。もし企業が動くのを待っていたら、時間だけがムダにすぎてしまいます。
私がおすすめするのは、女性コミュニティーや、ネットワークの形成です。アメリカやイギリスの例で言えば、社会に変化をもたらすのに女性同士のネットワークが重要な役割を果たしました。ネットワーキングはキャリアに直結するわけではありませんが、多くの支援をもたらしてくれます。女性がお互いを支援するために、自分たちをネットワークでつなぐことは大切です。
そして、もう一つ、欧米の例で大きな影響を与えたのが、しかるべき地位にある男性からのアドバイス。アメリカやイギリスで最も成功した取り組みは、管理職クラスの男性が、他社の女性管理職の指導者・助言者となるメンター制度です。これは、かなり女性管理職を育てるとともに、社会全体を変えるのに重要な役割を果たしました。