修学旅行費用の払い方と費用面での課題

私立高校の場合は、入学と同時に修学旅行の積立が始まったと記憶しています。2年の夏までの1年半で必要な金額を積み立てる仕組みになっていて、2年の秋以降は、「授業料の支払い額が減ったな」という感覚がありました。

一般的には、旅行代金を定期的に積み立てていく方式か、最初に一括納入してしまう方式(多少の割引あり)、最後に一括で総額を払う方式などがあります。どの方式でも大差はありませんので、家計の事情に合わせて納入方法を選びましょう。

費用の面ではいろいろな課題があります。個人で行く格安旅行と違って、修学旅行は団体旅行となり、さまざまな条件・制約がつく上に、かなり前からの予約が必要となるため、通常の旅行代金より割高になることが多いのです。

先に触れたように、公立学校の場合旅行費用に上限がある場合もあり、その範囲ですべての計画を立てなければならないこともネックになっています(見学先や体験内容が限られる)。また、自治体からの補助などもありますが、経済的な問題で参加できない生徒もゼロにはなりません。

海外へ行く場合は、燃油サーチャージが高い、円安になると旅行代金が上昇するなど、国内旅行とは違ったお金の問題も。

修学旅行で得るものは? そして、何よりも優先されるべきことは、安全性

子どもにとって修学旅行は、楽しい行事であり、友達とのいい思い出になります。しかし、親になって改めてその意義を考えてみると、校外に学習に行くという要素以外にも、親と離れて寝泊りすることの自立性、団体行動における協調性、公共の場での社会性などを養う機会。また、自分が住んでいる地域以外のさまざまな文化・風土に触れ、いろいろなことを考え、発見する機会でもあります。

今回調べてみて、修学旅行にかかる費用の目安がわかりました。子どもたちが楽しく学んで、経験を積むために、親は修学旅行費用が工面できるよう、入学当初から考えておきましょう。

そして、修学旅行において一番大事なことは、安全性。韓国の旅客船セウォル号が沈没し、修学旅行中の学生が多数死亡した事件は、記憶に新しいことです。親が後悔しないためにも、子どもを修学旅行に送り出すときは、交通、治安、衛生などの安全性、団体旅行保険、補償内容も含め、万一病気になったときの対応など、十分に説明を受けておきましょう。

フリーライター 生島典子(いくしま・のりこ)
投資信託の運用会社、出版社勤務を経て独立し、2004年よりライター・編集者として活動。子育て、家計、住まい、働き方などが主な執筆テーマ。好きなことは、出産と住宅ローン。3人の子どもを助産院で出産した経験あり