都道府県ごとに修学旅行の実施基準がある
まず、東京都の公立高校の修学旅行について決められていることを調べました。
「平成26年度 都道府県・政令指定都市 修学旅行実施基準概要一覧」によると、東京都の高校の修学旅行費用については、国内の場合7万9800円以内、海外の場合9万5000円以内(燃油付加運賃を除く)となっています。
そのほかにも、旅行期間は96時間以内、海外の場合はガイドラインにより、安全・衛生・治安が良好な方面を行き先に選出すること、海外修学旅行実施については学校交流等条件があることなど、計画・実施にあたっての制約がいくつもあり、先生方のご苦労がうかがえます。
そもそも、「修学旅行の始まり」は?
修学旅行の始まりは、明治19(1886)年の東京師範学校の「長途遠足」でした。この旅行は「行軍」の計画に対して、校長らが「学術研究」および「教育」的配慮を加えて実施したものです。最初は軍隊の要素が強かったものに、旅先での生物・鉱物の標本採集や史跡探訪を交えた旅だったようです。それから120年以上。今は全国の学校で実施されている修学旅行は、日本独特の文化として根付いてきました。
120年超の歴史の中では、第二次世界大戦による修学旅行の中止と復活、鉄道運賃の団体割引適用、修学旅行専用列車の建造、昭和31(1956)年には文部省による「修学旅行の手引き」の発行、費用負担が困難な児童への旅行費用の補助、公立高校の修学旅行に航空機利用許可など、時代とともにいろいろな制度や環境が変化してきています(参考資料:公益財団法人 日本修学旅行協会「データブック2013 教育旅行年報」修学旅行の歴史)。