夫を変えるか、自分を変えるか
そこで有効なのがもう一つのストレスコーピングである「情動焦点コーピング」です。
こちらは、ストレッサーそのものを変えようとするのではなく、それに対する自分自身の捉え方を変えようとすること。
たとえば、夫が潔癖症で口うるさい男の場合。彼を無理やり大らかな男にしようとするのではなく、彼はなんてきれい好きでマメな男なのだろうかとコトを前向きにとらえる、といった手法です。
では、この2種のコーピング手法はどのように使い分けるのか?というと、ストレッサ―がやり方次第ではいくらでも変わる余地がある場合は、「問題焦点コーピング」を試みる。
一方、ストレッサ―が何をやっても変わりそうにない場合は、「情動焦点コーピング」を適用するのがベストだそう。
ということは、夫を殴りたくなるほど相手にストレスがたまったら……。
その夫が、やり方によって変わる相手かどうかを判断し、いけると思ったら、あらゆる手法を使って夫を変える努力をする。
それが無理なら、今度は自分が相手に対する見方、感じ方を変えるレッスンをしてみる。
それでも尚、ストレスが溜まり続けるようなら、究極の「問題焦点コーピング」――離婚――という選択肢を検討するしかないかもしれません。
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。